「候ふ」は、前に出てきたように「丁寧」の意を表す補助動詞。
㋜㋑㋕㋕㋓の五つの意味があるが、文末に来ると「㋜推量・㋑意志・㋕勧誘」のどれかである。
「尊敬」の意を表す「接頭語」を「木曾殿」の「身」に付けることで、今井四郎から「木曾殿」への敬意を示していることになります。
疾う疾う(とうとう)=副詞、早く早く、さっさと。
さる者ありとは、鎌倉殿までも知ろし召されたるらんぞ。
直後に体言があると婉曲になりがち。
敵に押し隔てられ、言ふかひなき人の 郎等 ろうどう に組み落とされさせたまひて、 敵に押しへだてられ、とるに足らない人の家来に(馬から)組み落とされなさって、 討たれさせたまひなば、 討ち取られなさったならば、 『さばかり日本国に聞こえさせたまひつる木曾殿をば、 『あれほど日本中で評判になっていらっしゃった木曾殿を、 それがしが郎等の討ちたてまつたる。 あとは文脈判断。
この「む」は、㋜推量・㋑意志・㋕勧誘・㋕仮定・㋓婉曲の五つの意味があるが、文中に来ると「㋕仮定・㋓婉曲」のどれかである。
ただ、 「射取れや。
でも、敗者の 平維盛もなかなか興味深い人なんですよ。
係り結び。 そのとき、 巴も鎧兜を身につけ、同行したのです。
・・ 訳・ 今井四郎が申したのは、「お体もまだお疲れではありません、お馬も弱っていません。
支へ=ハ行下二段動詞「支ふ」の連用形、防ぎとめる、はばむ たり=完了の助動詞「たり」の終止形、接続は連用形 そこを突破して行くうちに、土肥次郎実平が二千騎ほどで(義仲らの行く手を)はばんでいた。
[生年] 生まれてからの年。
これを見給へ、東国の殿ばら、日本一の剛の者の自害する手本。
甲斐の一条次郎とこそ聞け。
おおおおおおおおおっ! ほんとですか? すごい怪力! その後、巴は、義仲と数秒見つめ合い、愛馬「春風」に乗って風のように走り去ったということでした。
手塚太郎 てづかのたろう 討 う ち 死 じ に す。
(命の)最後の時に失敗したならば、(死後)長きにわたる不名誉でございます。
今井四郎が申し上げたことには、「(あなたの)おからだもまだお疲れになっていません。
年ごろ=名詞、数年間、長年 日ごろ=名詞、数日間。 [しかるべからず] よろしくない。
」 今井四郎と木曾殿は、たった主従二騎になって、(木曾殿が)おっしゃったことには、「ふだんは何とも思わない鎧が、今日は重くなったぞ。
」 とて、打つて行くほどに、また新手の武者五十騎ばかり出で来たり。
聞こゆる=連体詞、有名な、名高い、評判の の=格助詞、用法は同格。
縦様・横様・蜘蛛手・十文字 *1 に駆け割つて、後ろへつつと出でたれば、五十騎ばかりになりにけり。
口惜しう=シク活用の形容詞「口惜し」の連用形が音便化したもの、残念だ、がっかりだ、悔しい、 候へ=補助動詞ハ行四段「候ふ」の已然形、丁寧語。
最後の戦いをして見せ申し上げよう。